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zoom RSS 『格差とイデオロギー』

<<   作成日時 : 2009/01/12 17:43   >>

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画像 「格差」と「貧困」が社会的問題となり、「貧困」をめぐる「反貧困」の運動が急ピッチで進められています。そんな中で「格差」「自己責任論」をめぐるイデオロギーも大きな問題になっています。そうした問題に哲学はどう答えるのか、いろいろな哲学者も発言していますが、まとまった著書は少ないようにも感じます。
 そんな中で、碓井敏正著『格差とイデオロギー』(大月書店)が出版され、さっそく読みました。

 著者は、「哲学的な立場から格差を論じる際にまず問題とすべきは、労働と人間や社会との本質的関係である」との前提を示したうえで、いくつかの視点と問題提起を展開しています。

 「労働よる社会関係を通して、働く者が社会的存在としての自己を確証できることである。人は仕事を通じて社会とつながり、しごとによる社会貢献によって社会の一員としての自覚と誇りをもつことができる
 「安定した仕事が得られず、日々の生活に追われる人びとは、自己の労働に誇りを感じることができず、また自ら属する社会に愛着心をもつことはできない

 こうした視点から、「格差と国民国家、ナショナリズム」「格差と社会意識」「格差と社会的関係性」「格差と貧困の何が問題なのか」「格差と教育」「格差と健康」など、格差のイデオロギーと、現実と本質、などを論じています。
 この中には、現実の分析と哲学的思考の重要性で注目する点も多々あります。ただ、どう解決していくかという哲学的解答に十分応えているかとなると、誰にもわかりやすいものに整理されていない私には思えます。
 著者の「正義論」について、かねてより、理論と実践との関係でわかりにくいと感じているのですが、本書の第3部は「正義論」展開で、またまた頭を悩ましてしまいました。著者はロールズを多用するのですが、ロールズの評価すべき点と問題点との論議になると、ロールズを学んでいない者にとっては、わかりにくいのですよね。
 私の勉強不足の点もありますが、著者の「正義論」はとっつきにくいというのが正直な感想です。本書でも、著者の一貫した「正義論」を示したかったというのはわかりますが、ここはグッとこらえて、現代の「イデオロギー」に集約したほうがよかったのではないかと思いました。
 でも、哲学者が哲学的に分析しようとする姿勢は重要だと思いますので、他の哲学者も現代の「貧困」問題についてもっともっと論じてほしいとおもいます。

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