未来 ― 私達の力で歴史を動かそう!

アクセスカウンタ

zoom RSS 官製ワーキングプアを生んだ公共サービス「改革」

<<   作成日時 : 2008/10/19 17:23   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 公務に関連するワーキングプアの実態が徐々に明らかになりつつあります。本当はまだまだ目に見えない実態があるし、酷い労働条件で働いている労働者がいます。本人が職を守るために沈黙している実態がどれほどあることでしょう。

画像 『官製ワーキングプアを生んだ公共サービス「改革」 』(城塚健之著/自治体研究所発行)を、そんな実態を明らかにしているのかと読みました。そんな実態の事例は期待したほど書かれてはいなかったのですが、著者の広い視野からの公務労働のあり方、「官から民」へのもとで行われている事態がよくわかる書として、大いに感心しました。

 著者は弁護士なのですが、専門分野のことだけでなく、科学的なものの見方を身につけることの重要性を強調しています。そのためにも、「科学的なものの見方を身につけるためには、自然科学の勉強もお勧めです」「科学的なものの見方をするためには、むしろ不可欠だと思っています」と、自然科学を学ぶことの重要性を語っており、まったく同感です。最近、忙しさにまぎれて自然科学の勉強を怠っていることが恥ずかしくなりました。
 さらに、「当面する問題だけでなく、もっと大きな視点で、国家社会のあり方を深く考えることが必要です」など、もっともな主張と弁護士活動とを両立させた実践にも学ぶことが多かったです。

 本書では、まず、官製ワーキングプアがなぜ大量に発生しているのか、その根本原因に迫っています。
 「構造改革というのは、この国を多国籍企業奉仕型に変えていくために、政治経済をはじめとする国家社会のあらゆる仕組みをつくりかえていこうというものです」
 「新自由主義とは、企業活動の自由、とりわけ多国籍企業の活動の自由を最善の価値として、これを積極的に支援し、あるいはその障害となるものを排除していくことにより、社会全体の価値の総和が高まると主張する経済学説ないしイデオロギーです」
 「しかし、それだけだと、格差と貧困が広がってきます。社会が荒れてきて、もたなくなります。そのための手当てとして、治安維持が必要となりますし、道徳教育も必要となります。海外の権益や企業活動を守るために戦争遂行も必要となります。そうすると、どうしても強権的な部分が必要です」
 「公務員を減らしても警察官は増員するとか、不審者を洗い出すために監視カメラなどで監視を強化するとか、「司法改革」により悪事を働いた奴はすみやかに厳罰に処するようにするとかが必要になるということです」
  と、今日起こっている社会の全体像に迫りながら、具体的な実態を示そうとしています。

 また、「戦争のできる国」づくりにも言及し、
 「「戦争をする国」にするといっても、それはあくまで多国籍企業の経済的欲求を実現する手段として武力行使というカードを持っておこうという位置づけです」
 「しかしながら、改憲(をめざす動き)は、単にわが国を「戦争をする国」にするためのものではありません。それは、国民に新自由主義を受容させていく、強化していくルーツとしても位置づけられているのです。本来、憲法とは国家権力に対する制限規制なのですが、そういう本来のあり方とは違う使い方をしようということです」
 「また、これとは逆に、公務の市場化が進み、市場原理が社会や生活のすみずみにまで徹底されていけば、国民生活のすべてに「自己責任」イデオロギーが浸透し、それが改憲を容認する素地にもなっていくでしょう」
 「改憲(をめざす動き)は、単にわが国「戦争する国」にするためのものではありません。それは、国民に新自由主義を受容させていく、教化していくツールとしても位置づけられているのです。本来、憲法とは国家権力に対する制限規範なのですが、そういう本来のあり方とは違う使い方をしようということです」
「また、これとは逆に、公務の市場化が進み、市場原理が社会や生活のすみずみにまで徹底されていけば、国民生活のすべてに「自己責任」イデオロギーが浸透し、それが改憲を容認する素地にもなっていくでしょう」
 と、改憲が9条だけでなく、憲法本来の役割、改憲勢力の狙いについても言及しており、そのことがどのように公務の変質へと結びついているかを具体的に示そうとしています。

 そして、人間全般の労働について、「人間らしい労働条件が保障されていなければ人間らしい仕事はできない」という点を明確にしたうえで、「公務の市場化の問題を考えていくと、今日の資本主義のもっとも根本的な部分と対峙することは避けられません。そのためには、さまざまな思想・イデオロギー的問題を含めて、学んでいく必要があります」と、前段に紹介した学習の大切さが強調されています。

 広い視野からの本書には大いなる刺激を受けました。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
官製ワーキングプアを生んだ公共サービス「改革」  未来 ― 私達の力で歴史を動かそう!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる