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zoom RSS 多喜二ライブラリー特選図書への書評B 倉田稔『小林多喜二伝』

<<   作成日時 : 2006/05/08 20:30   >>

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 多喜二ライブラリーの設立以来、多喜二関連の本が何冊出版されたのだろうか。多喜二ライブラリー特選図書はいま数えることはできるが、2003年末時点の私には知りえることではなかった。
 2003年末に続いて出版された三冊の本は本当に嬉しかったことを思い出す。ひとりの多喜二ファンとして、待ちに待った「待望」の瞬間であった。この2003年末、私は「よみがえった多喜二」を確かに感じた。その喜びが、この書評に言葉少なに込められている。いま読むと「伝わらないなぁ」と自分でも思うが、多喜二たちの「火を継ぐ」ことの重要性を伝えたいとの気持ちはいっぱいだった。

 それにしても、この頃から「生きる」「平和」「人権」の意識を持ち、主張し続けていた。
 ヨカッタ!
 ヨカッタ?
 成長したのかな?

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倉田稔『小林多喜二伝』

「人間・多喜二を描く伝記」

 2003年の締めくくりレビューは、生誕100年、没後70年の今年末発行された「小林多喜二伝」。知人・友人の証言をあつめ多喜二の全体像にせまる、というだけあって900ページに及ぶ伝記である。
 多喜二の伝記でもっとも優れていると言われるのが、手塚英孝「小林多喜二」である。本書は小樽時代の多喜二の補足、そして手塚伝記の誤りを指摘しながら、手塚が書かなかった小林多喜二像を描いている。
 また小樽高商で下級生であった伊藤整の「若い詩人の肖像」から多くを引用し、伊藤整の誤りをも多く指摘している。

 多喜二の人がらを多彩な証言から浮き彫りにしながら、多喜二がどのようにプロレタリア文学の道に進むようになったのかを綿密な調査で追跡している。
 多喜二の代表作は「蟹工船」といわれるが、「一九二八年三月一五日」がやはり多喜二の新しい出発作である。この執筆前後の調査は、多喜二の思想と人間像を明らかにしている。

 多喜二への特高警察の拷問の酷さは、死体の写真が物語っているが、その写真さえ戦中は発表することもできず、見つかれば没収されるため隠され続けてきた。多喜二の死体について語る証言は、目をそむけたくなるほど酷いものである。

 明治維新から戦後、民主主義の実現のために生きた人々がいたこと、いくたの犠牲があったことを忘れてはならない。
 憲法改憲により平和と人権を奪おうとする策動が強まるもと、真の民主主義を築くためのさらなる運動が必要であろう。

                        2003-12-31 未来

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コメント(2件)

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倉田先生は慶応ボーイ。
多喜二と手塚英孝が連絡場所の一つとして利用していたのが慶応大学の図書館。
それを含め、東京の多喜二情報は貧弱だ。

さらにいえば充実しているのは「不在地主」まで。「工場細胞」以降はおまけのようだ。そこんとこ誰が 4649 ヨロシク!! (笑)
Jun_Takihashi
2006/05/13 00:19
 もう一度読み直そうと考えています。伊藤整の「若い詩人の肖像」を先日古本屋で見つけましたので、これも読もうと計画中です。
 計画中の本が多すぎて追いつきません(笑)。子どもからは「床抜けるからこれ以上買ったらあかん」と叱られてばかりいます。
未来
2006/05/13 06:12

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