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zoom RSS 『ハルカ・エイティ』/姫野 カオルコ/文藝春秋/「ふつうじゃない女性の戦前・戦後」

<<   作成日時 : 2005/12/05 05:58   >>

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 著者はあとがきで「本書はノンフィクションではないが、実在の人間の、戦場での体験をはじめ、事実をもとにした小説である」とある。著者の伯母がモデルだそうだ。
 戦前の体験が描かれているため、読み始めた。戦前のハルカの生き方にグイグイ引っ張られながら、興味深く読んだ。しかし、戦後は私には別世界、複雑な気持ちである。ただ80歳の素敵なおばあさんハルカには会ってみたいと思ったから、それはそれでひとつの体験だったかもしれない。

 戦前の国民や女学生は、軍国主義をどうみていたのだろうか。満州国建国や日本陸軍が駐留し続けることを非難した国際連盟臨時総会で「聞く耳持たず、机を叩いて退場した」「松岡の行動をステキだと思うようなブーム」だった。
 「女学生が青春のそよかぜに抱かれているうち、あるブームは、そのブームを謳歌しないものを悪の枢軸とみなすほどに絶対化しつつあった」

 なんか、今の時代に似ていないだろうか。「小泉劇場」、その内容も知らないのに何でも「改革」というブーム。
 それはさておき、戦時の国民が「自国の軍国化」を実感したのは、「米配給統制法が公布され」「抽象ではなく具象が自らの身にふりかかってはじめて実態を実感」した。
 う〜ん、今の国民も憲法が改悪されて、徴兵制で家族がイラクにでも行かなければ実感がわかないのかな?悲しい!

 戦争末期、特攻隊のことを「人間爆弾だとは、軍も国民も呼ばず、神風特攻隊という名で呼んだ」
 あ〜あ、思想統制と思考停止の行く末の恐ろしさ。人の死を、それも人間爆弾という非情な行為を強いた人間を非難することもできなかった国民。余りにも悲しいではないか。

 そんな体験をしたハルカ。敗戦から戦後の民主主義への転換の時代を苦労もしながらけなげに生きる。戦前の価値観を背負いながらも、徐々に新しい女性に変化するハルカ。
 この戦後の新しい時代からこの小説のテーマも一変する。女性の職業観、これはいい。女性の働く職場の少なさ、それでも働く女性がイキイキと描き出されている。

 でも、そこから男と女の異性観、セックス観へと比重が移っていく。ここからは私の手には負えない。戦前にも「ふつう」「ふうつ」と連発された言葉。戦後も「ふつう」が連発される。でも、「ふつう」だろうか。誰か教えてくださ〜い。

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