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zoom RSS 『ガリヴァー旅行記』/スウィフト/岩波文庫/「18世紀初頭の思想を知ることができる批判的物語」

<<   作成日時 : 2005/11/06 13:11   >>

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 ガリヴァー旅行記という名を聞いたことのある人は多いだろう。私自身も子供の頃に子ども版を読んだことがある。全文の翻訳書を読むのはこれが初めてである。

 小人の国や巨人の国の話は、子ども時代の記憶として残っており、ああやっぱりガリヴァー旅行記なんだと最初は思った。しかし、読み進めるうちに本書の目的が、おとぎ話ではなくフィクションの中に、当時の社会風刺を描いた作品だということに気がつく。

 著者はイギリス人ではあるが、王政の矛盾を揶揄し、法律が人々を支配するための方便であることを見抜いている。その矛盾を、様々な立場の違う国を訪問することによって、はっきりと意識しだすガリヴァーを描くことにより、社会批判を繰り広げている。

 もっとも傑作なのは、馬が理性の持ち主で、愚かな人間が動物として扱われている世界である。馬が理性をもつ国に到着したガリヴァーと、理性ある馬との会話と論争は絶妙である。理性あるものがなぜ戦争をするのか、人や自然を破壊する兵器をなぜ製造するのか。
 理性的とは、話し合いで問題解決をはかることではないのか。嘘と欺瞞と策謀、そして権力による抑圧のある人間の世界がどうして理性的といえるのか。

 人間の権力欲や貪欲、醜い争いごと、人間の世界は馬の世界よりも非理性的であることをフィクションとして描きながら痛烈に批判する。植民地支配の問題についても、18世紀初頭にこれほど明確に批判した書は少ないのではないだろうか。

 約300年前に書かれた書であるだけに、まどろっこしい点もあるが、当時の先進的な思想を知る上で意味ある本だと感じた。 

2004-08-27

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