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zoom RSS 『教育改革と新自由主義』/斎藤貴男/子どもの未来社/「教育機会均等の理念が力づくで叩き壊されている」

<<   作成日時 : 2005/10/18 05:10   >>

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 寺小屋新書。聞いたことのない新書を本屋で見つけた。本書が創刊第1号となる。

 斎藤貴男の著作を読んだことのあるものなら、このジャーリストの激しい批判的な文面を思い浮かべることだろう。しかし、本書では、一緒に考えていこうとする姿勢が前面に出され、これまでにない新鮮なものに仕上がっている。
 もちろん、これまでに教育問題に関する内容で著者が述べてきたこと、取材に基づいて示されてきた事実がふんだんに使用されている。

 たとえば、教育課程審議会元会長の三浦朱門が「できん者はできんままでけっこう」「これからはできる者を限りなく伸ばすことに振り向ける」「ゆとり教育の本当の目的。エリート教育とは言いにくい時代だから、回りくどく言っただけの話だ」は本書でも引用されている。
 何度聞いても、憤りを感じる言葉である。今日の教育改革が一部エリートだけを育て、残りの者には忠実な精神だけを求める、「エリート」でない子どもをバカにしきった表現である。斎藤貴男でなくとも怒りを感じる。

 本書では、教育改革の本当の狙いを事実に基づいて明らかにするとともに、今日おこっている現場での現実を示し、その中から子どもの未来のために何が必要かを訴えている。
 東京都で起こっている日の丸・君が代強制のルポは、いかに人権や思想信条の自由を奪う暴挙が繰り返されているかの典型ともいえる。君が代に生徒が起立しなければ、先生が処罰される。これほど思想統制の最たるものはない。生徒の自由が、先生への処罰となる。これが教育か!!!
 まるで戦前の思想統制と同じではないか!

 著者はあとがきでいう。「人間が成長するということはどういうことなのかを、私たち一人ひとりがもう一度とらえ直す必要があると感じる」「戦争の反省から生まれた教育機会均等の理念が、力ずくで叩き壊されています」
 「朝の来ない夜はありません」「子どもたち一人ひとりがそれぞれの人生を謳歌できるようになるために何をすればよいのかを、いっしょに考えていこうではありませんか」

 「とにかく本文を読んでみてください」との著者の思いに強く共感する。ぜひ、読んで欲しい。

2004-08-04

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