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zoom RSS 『人間不平等起源論』/ルソー/岩波文庫/「飢えている人がいるのに、一握りの人にはありあまっている」

<<   作成日時 : 2005/09/27 05:59   >>

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 人間の不平等はいつから始まったのか。いま、格差社会が社会問題になっているが、不平等の起源を問うことはこの格差を解消するために、重要な鍵となるかもしれない。

 本書は、1753年のアカデミー懸賞論文、「人々の間における不平等の起源はなんであるか、それは自然法によって是認されるか」に提出した論文である。

 当時、「自然法」というものが社会的な論議になっていた。しかし、その「自然法」というものは、現実社会から自然状態を想像するフィクションであり、それゆえにホッブスによる「万人の万人に対する闘争」とする思想があらわれていた。
 ルソーは、これらのフィクションを厳しく批判する。本書の書き出しにそのことが示されている。

 「人間のすべての知識のなかでもっとも有用でありながらもっとも進んでいないものは、人間に関する知識であるように私には思われる」「人間そのものを知らなければ、どうして人々のあいだの不平等の起源を知ることができようか」
 そしてルソーは、文明人と「未開人」あるいは「野蛮人」といわれる人との比較から、原始状態を探る。この起源の説きおこしには説得力があり、原始状態が平等な社会であったことを明らかにしている。

 その平等社会から、いかに不平等社会になったのか。ルソーは、土地の私的所有から始まったと説く。
 「何も所有しない人々の間にいかなる従属関係の鉄鎖がありうるだろうか」
 「ある土地に囲いをして『これはおれのものだ』と宣言することを思いつき、それをそのまま信ずるほどおめでたい人々を見つけた最初のものが、政治社会〔国家〕の真の創立者であった」
 少し強引な説明ではあるが、この「私有の観念は、順次的にしか発生」しなかったという説明に、私有が不平等の起源となったというルソーの思想があらわれている。

 ルソーは、本書の最後にこう述べる。「多数の人々が飢えて必要なものにも事欠いているのに、ほんの一握りの人たちには余分な物がありあまっている、ということは、明らかに自然法に反している」と。
 そして、後半には、「不平等の到達点」は「消滅」し、ふたたび「平等」な社会が実現すると述べている。

 ルソーの「自由」という観点、そして「所有者」による「自由」への横暴を許せないという怒りが伝わってくる論文である。

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