未来 ― 私達の力で歴史を動かそう!

アクセスカウンタ

zoom RSS 『自由・平等をめざして』松永昌三

<<   作成日時 : 2005/07/27 04:48   >>

トラックバック 1 / コメント 0

 明治維新後、政府の専制に抗し、人間の自由と権利の拡大をめざした政治運動が活発化した。国会開設と憲法制定を要求する運動は全国に展開し、自由民権運動として大きく盛り上がった。

 本書では、この自由民権運動とその挫折などを中心に、中江兆民と植木枝盛の思想を分析、対比しながら描かれている。かねてより中江兆民の思想を知りたく、兆民に関する本を何冊か読んだが、本書が一番私の関心に応えるものであった。
 さらに植木枝盛の思想のいったんにもふれることができ、自由民権運動の盛衰史とあわせれば、一石三鳥であった。

 東洋のルソーと称された兆民の民主的思想は徹底したものであった。すべての人間の自由と平等、そして平和を徹底して求めた運動に脱帽する。今とは違い、言論の自由さえ奪われ弾圧の対象となった時代に、徹底した平等を訴え続けた不屈の精神はすごい。枝盛の思想も先進的であり、今でも学ぶべきことがある。

 さて、弾圧につぐ弾圧が続く中でも運動は続き、政府は内容を秘密裡のうちに帝国憲法を制定する。国民は内容も理解しないまま、憲法制定のお祭り騒ぎに歓喜したという。いまも雰囲気や実の伴わない期待だけで、行動する国民性があるが、この点に限って言えば進歩していないところがあるなぁと思ってしまう。

 さて、初めての選挙で当選した兆民と枝盛。それまでの思想では先駆的な理論をもっていた二人の行動に極端な違いがあらわれる。
 第一回選挙の結果は、党派は分かれていても民権勢力が多数を得た。兆民は各派の連合を求め奔走する。しかし、それは実現しなかった。

 第一国会で、民権勢力が多数派で、政府の予算案が成立しない。しかし、買収による切り崩しで一部の議員が裏切る。枝盛はその裏切りに加担し、政府案が成立する。兆民は、これに抗議し議員を辞職する。ああ、二人の活躍に期待していただけに、この結末に唖然としてしまった。

 本書では、こうした民権運動の盛衰と国会開設問題など、当時の政治情勢を知ることができると同時に、兆民と枝盛の思想を知ることができる。
 この時代に興味のある人にはオススメの書である。同時に自由と平等の思想は脈々と続き、今もその実現と拡大が求められなければならないことを知ることができる。

2004-03-26

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
猿の国 :坂の上の雲「3」
明治維新の日本人について取り上げました。 ...続きを見る
日本一小さい歴史書店
2005/07/28 08:58

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『自由・平等をめざして』松永昌三 未来 ― 私達の力で歴史を動かそう!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる