未来 ― 私達の力で歴史を動かそう!

アクセスカウンタ

zoom RSS 『教養の再生のために』/加藤周一/ノーマ・フィールド/徐京植/影書房/「有意義な生き方をするための」

<<   作成日時 : 2005/05/30 19:40   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 教養とは何か。そんなことを問う学問があるとは想像もしなかった。本書は、東京経済大学21世紀教養プログラム発足記念講演会の記録を中心に、教養とは何か、教養がなぜ必要かを問うている。

 「現代において『教養』は万人に開かれたものであり、また、現代を生きる万人が自らの『教養』を拠り所としてより良い社会を実現していくことに責任を負っている」(徐京植)。
 本書で言う「教養」という概念が広すぎるため、わかりにくい面がある。人間の知性や理性を含んだものと考えながら、東京大学教養学部の「知の三部作」を思い浮かべた。

 しかし、本書でいう「教養」は、もっと深く人間の生き方に迫ろうとするものである。
 加藤周一の「自由」とは何かを問いながら、人の生き方を問う視点に惹き込まれた。

 また、シカゴ大学のノーマ・フィールドの「戦争と教養」の講演にも心惹かれるものがある。
 「私たち一人一人が有意義な生涯を送ることができるような社会を目指すことが教養本来の意味ではないかと思います。その前提としてまずは戦争、それから貧困をなくさなくてはならない」「そういう理想に対する執念を作り出すことがそもそも教養の役割でもあるはずです」
 「正義の到来を信じることができなくなってしまった私たち、またそのかけらすら体験したことがない私たちはそれを希求する力さえ失いかけているのではないでしょうか」

 この9・11以降のアメリカの思考状態をふまえたうえでの発言に、ノーマ・フィールドの危機感と何とかしなければならないとの情熱を感じることができた。

 三者の、「教養」への危機感と、「教養」をこれからどうつくっていくかという想いが溢れた書に仕上がっている。
 しかし、同じことの説明の繰り返しの部分が多く、すっきりとまとめられた本ではない。

 そして、生きることへの能動性の視点が弱いことに、不満を感じる。徐京植講演の最後は、こう結ばれている。
 「この社会の破滅を一分でも二分でも遅らせるために努力しなければにらない時代、それが現代ではないかと私は思います」
 これはいただけない。破滅をまねかないために、私たち一人一人が、どう考え、どう行動するのか、そんな生き方を学ぶための「教養」を、あなた達(著者)は訴えようとしたのではないのか!
 なのに結論がこれでは、あまりにも情けなさすぎる!本レビューへの意見を請う!

2005-04-22 REVIEW JAPAN 投稿

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『教養の再生のために』/加藤周一/ノーマ・フィールド/徐京植/影書房/「有意義な生き方をするための」 未来 ― 私達の力で歴史を動かそう!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる