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zoom RSS 『絹扇』 津村 節子 絹織物の盛衰を女性の視点から描いた作品

<<   作成日時 : 2005/04/21 19:57   >>

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 明治・大正の時代、福井の絹織物の盛衰を織物屋に生まれた女性を主人公に描かれた作品。明治21年生まれの主人公は、機屋の娘として生まれる。
 明治19年に尋常科4年が義務教育となっていたが、農家や家内工業の機屋の娘は殆ど通学していない。 「女の子は学問なんかせんでも、いい機職工になったほうが身のためや」との考えもあるが、娘の労働力を必要としていた側面がある。それにしても男の子は就学させていたわけだから、当時の暮らしや思想を反映したものといえる。
 
 主人公は、勉学の機会も失われ、家業の重要な一員として少女時代を生きる。美貌で働き者の主人公は、同業の機屋の息子に嫁ぎ、働きづめの生活の中にも、働くことの喜びを感じている。
 娘の出産後、夫の妾の存在ばかりか、子まで宿していることを知り、哀しみに・・・。それでも、耐えて生きる当時の女性の心境は、私には理解できなけど、そんなことが多々(少々?)あったのも歴史の事実であろう。
 働きづめの祖母、父、母の死など、働き続けることしかなかった人々の姿。哀しい女性の生き方を描いた作品だ。

 しかし、少女時代から家業の一部として生き、学校にも行けなかった女性が主人公でありながら、自分の娘への想いや、同じ家業のもとに生まれた娘の心境がほとんど描かれていない。
 この物語にはそんなことを描く必要がなかったのかもしれないが、そこが物足りなかった。子供への想い、子供の心境が描かれていれば、もっと優れた作品になったのではないだろうか。

 それにしても、絹織物の盛衰、家族ぐるみでの必死の働きなど、日本産業の一部を支えてきた織物屋の一端に触れることができたのは、大きな収穫であった。

2003-05-06 REVIEW JAPAN投稿

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