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zoom RSS 西尾成子著『科学ジャーナリズムの先駆者 評伝 石原純』

<<   作成日時 : 2011/10/09 19:50   >>

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 3・11以降、大震災や原発に関する本が続々と出版されている。3・11を「科学」的に考えるために、それらの書をむさぼり読んでいる。同時に、執筆者の観念に振り回されず、自分の頭で考えるために、古典と科学を学び直すことの重要性を感じている。
 とはいえ、まずは現状の認識が必要だとしゃかりきに現状認識に努めてきた。これはこれで大事だが、急がば回れ、も必要かもしれない。そんなことを考えながら、現状認識を中心にしながらも、本を漁っている。

画像 そんな折、西尾成子著『科学ジャーナリズムの先駆者 評伝 石原純』が出版された。島村先生とのお付き合いや、アインシュタインと山本宣治の対談などの知識がなければ、見逃していた一冊かも知れない。
 数年前まで、石原純の名前さえ知らなかったのだから。

 まだ読み始めたばかりだけど、19世紀から20世紀にかけての科学の発展、とりわけ物理学やアインシュタインの相対性理論がどのような受け止められ、どのように受け入れられていったのか、極めて興味深い時代の話、その時代を科学の目を持って生きた石原純の評伝は、今まさに読まれる必要があるのかも知れないと思わせる執筆ぶりである。

 「いまからみれば、1900年前後の物理学は大激動の時代を迎えようとしいた」と、科学的認識の発展・進化を興味深く(科学的かつ哲学的に)見続けている人々にとっては、見過ごすことのできない時代であり、画期である。

 「自然科学の領域においてにしろ画期的な発見がなされるごとに、唯物論はその形態をかえなければならないのである」とエンゲルスは喝破したが(『フォイエルバッハ論』)、19世紀の科学の画期的な発見を正面から受け止めた石原純の思考力を私たちは学ぶ必要があるだろう。

 本書は、19世紀から20世紀にかけての科学・物理学の発展に興味のない人にとっては、ちんぷんかんぷんの内容かもしれないが、わかる人には見逃せない一冊だ。

 3・11を契機に社会のあり方が見直されているが、科学の分野でも注目すべき提起や発見があるかもしれない。
 自然を知ることは、人間の生き方を、社会のあり方を知ることでもある。自然と無関係に人間は生きられない。どれだけの人が、そのことに気づいていようがいまいが、人間は自然の一部でもあるからだ。

 ついでに、最近私が注目している科学のあらたな発見(?)のその後に注目しているのは、@生命の元となる炭素などの生成と地球の生命誕生の謎、Aホモ・サピエンスとネアンデルタール人との混血の有無、Bニュートリノが光の速度を超えたという実験結果の真偽、などであるが、私にはそれを判断する知識はない。
 それでも、批判的に検証する認識力だけは高めていきたい。

 本書に、「彼が人の理論を無批判に鵜呑みしないという点は、評価されてもいいだろう」とあるが、これこそが一番大切なことである。マルクスのモットー、「すべてを疑え」「自分の頭で考えろ」こそが、明日を切り拓くだろう。

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西尾先生のこの本は、現代にも通じるとても大切な考え方を提示している部分があります。石原純は戦争中も、目先の国策に役立つ軍事面に科学技術を特化することに賛成せず、そのため様々な不利益を蒙ったと考えられます。しっかりとした見直しの契機となることを希望します。
Prof. Shima
2011/10/16 00:20

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