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zoom RSS 浅尾大輔著『ブルーシート』

<<   作成日時 : 2009/11/15 18:18   >>

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 浅尾大輔さんの第一小説集なる『ブルーシート』が発売されました。浅尾さんの仕事のすべてを見ているわけではありませんが、大きな視野を広げながら奮闘している浅尾さんの活動にはいつも注目し、『ロスジェネ』も毎回購入しています。でも、正直言って、浅尾さんの発表するものをすべて理解するものでも、すべてを肯定するものではありません。
 浅尾さんが、このブログを、もしかしたらたまたま見たとしたら思うと、書きにくいのですが、やっぱり思ったことを書くのは私のスタイルだし、私からの浅尾さんの礼儀だとも思いますので、読後感を正直に書きたいと思います。

 まず、こんな作家はどこにもいないと思うことです。浅尾さんが描く世界は、まっすぐに、誰にも、即には伝わりにくいと思います。でも、たとえば、今回加筆修正された「ソウル」を読むと、『民主文学』『学習の友』に発表された作品では伝わらなかった思いが、浅尾さんならではの表現で、伝わってくるような気がします。
 ああ、浅尾さんは、こんなことを伝えたかったのか、と今度の小説集で少しだけわかったような気がします。きっと、このような書き方では駄目だと思うのですが、「変化する浅尾大輔」を理解するには、こんな抽象的な言葉しかできないのが、私の現在地点なのか、浅尾大輔氏の未知数なのか、それは読者がそれぞれに考えて欲しいと思います。

 今回、初めて新潮新人賞受賞作の「家畜の朝」を読みました。第一感想は、「こんな小説の書ける人なんだ」ということでした。この素質を伸ばすことができれば、きっと人の心をつかむ小説が書けるのにと思いました。テーマと小説の発展性は別にして、これだけの文章が書けるのであれば、いつか、きっと、良い小説が書ける人になるだろうと思いました。
 新人賞受賞は伊達ではなく、浅尾さんの未知への希望と発展性と期待したものとして、当然の受賞だったかと納得しました。

 でも、今回の小説集の順序はどうなのでしょうか。浅尾さんの未知数を考えるならば、最新作から遡るではなく、「家畜の朝」からの現在に辿るほうがよかったのではないかと思います。そのほうが、浅尾さんの初志から、現在の『ロスジェネ』編集長へと至る道筋が見えたのかもしれないと、勝手に思っています。

 浅尾さんとは、活動のうえでは交差しながら、微妙なすれ違いを思想上(文学運動?)ではおこなっているような感覚があります。これは、あくまでも他者を介在した感覚であって、もともと私は意に介してはいませんが。
 浅尾さんの世界がもっともっと広がり、大きく羽ばたいて欲しいと願っています。多喜二が「蟹工船」を描くに至った過程を知りえたうえで、社会の中に一問を投げかけようとする作家が少ない中で、浅尾さんの今後の発展は注目されます。

 期待に応えてくれるのかどうかは未知数だと思いますが、その未知数をずっと追っかけていきたい作家だと思います。この感想は、あくまでも小説集への感想ですが、彼が懸命に「生きている」ことを私は認めています。だからこそ、頑張って欲しいと思うのですよね。
 いろいろな「生き方」はあるけど、もっとも困難な人々に寄り添い、社会を前に一歩でも、二歩でも前進させるために、私も頑張りたいと思うから、浅尾のような人が発信していくことは本当に重要だと思います。

 浅尾大輔、頑張れ!

 こんなエールもたまにはいいですよね。みなさん、ぜひお読みください。そして、ぜひ批評してください。みなさんの批評が、きっと彼にはいい意味で届くと思っています。

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コメント(3件)

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ごぶさたしています!
未来さん、ますます忙しい毎日ですね。いつでも、どの持ち場でも、いきいきと頑張っておられる姿に元気をもらっています。
さて、お知らせです。
伊勢志摩の真珠メーカーの会社の社長さんが、私の「ひとりひとりがHERO」「間違えたっていいじゃないか」などを気に入ってくださって取材してくださり、インターネットラジオで紹介してくださいました。
一昨年、韓国の「ナヌムの家」で、ハングルバージョンで「多喜二へのレクイエム」を歌った時の話も紹介してくださっています。
http://www.radicafe-st.jp/onair_oldfile/090927_onair.html
の中の
●番組をすべて聴く(ポッドキャストmp3形式) 約35MB
の8分30秒ぐらいから20分30秒ぐらいまで収録されています。
お時間のある時に聴いてくださいね。
kei.sugar♪
2009/11/15 23:55
ご紹介、ありがとうございます。
本書におさめた4つの短篇は、それぞれの立場におかれた人によって好き嫌いが別れると思います。しかし僕にとっては、すべてが等価の、愛しい作品です。
本当にありがとうございます。
浅尾大輔
2009/11/19 20:11
浅尾さん、こちらこそありがとう。
まさかコメントがあるとは思っていませんでした。
浅尾さんが様々な状況のもとにあるひとりひとりの人に寄り添いながら活動していることには、いつも感心していますし、私も見習いたいと思っています。
引き続き頑張って欲しいと思っています。

「愛しい作品」といえるのは、それぞれに込めた思いがあるからだと思います。このことはとても大事なことだと思います。
今後のさらなる飛躍を期待しています。
未来
2009/11/20 19:28

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