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zoom RSS マルクス・エンゲルス『文学・芸術論』

<<   作成日時 : 2009/04/26 07:59   >>

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 春と秋は各地で古書市などが開催されます。大阪の古書組合から案内が届きます。たまにしか行けませんが、時間の合間を見て立ち寄ることがあります。最近、古書市で感じるのは、新書版の取り扱いが増えたこと、一時はあまり見られなかったマルクス関連の本をよく見るようになったことです。
 特に一時はほとんど見ることがなかったマルクス、エンゲルス、レーニン関係の国民文庫をよく見ます。それも状態の良いものであっても一冊100円から200円くらいで売られています。これまで倉庫に眠っていたものが、「蟹工船ブーム」、「資本論ブーム」のなかで出てきたのかと思ったりもします。
 マル・エン全集は持っているものの、索引から探して読むのはけっこう億劫なもので、『文学・芸術論』というようにまとめたものがあると便利です。これは250円と少し高めでしたが、先日買ってきたので、さっそく読みました。

 文学や芸術を論じるにあたって、社会・生産様式、社会的存在と意識、資本主義の発展段階に応じて見ていくことの重要性が伝わってきます。どうしても文学や芸術を論じるとき、このような視点を忘れがちなのですが、しっかりとこれらの点を押さえて読めば、その作品の意義や限界などが浮かび上がってくるのだと感じました。
 カント、ヘーゲルなどのドイツ哲学の歴史を学んだ時に、ゲーテの当時の意義と限界についても講義がありましたが、本書収録の論文でも、同じことを簡潔に述べていたり、ディドロの「ラモーの甥」の社会風刺への評価など、私の読んだ本に触れたものも沢山あり、興味深く読みました。

 「人間」について科学的に述べるに際して、宇宙の生成から地球の誕生、生命の誕生など、自然の一部としての存在から紐解き、次に社会的存在として論じられるべきように、文学や芸術についても、社会的存在としての人間の意識活動、かつ歴史的に見ることの重要性を感じました。

 小林多喜二を論じるにあたっては、多喜二が生きた時代の考察が必要であり、その時代の中で多喜二がどう生きたかを考察の必要です。そこから何を学び、現代にどう活かすのかが問われていると思います。それは、現代をどう生きるかを考えるうえで、小林多喜二の文学と人生には学ぶべきことがあることを示しています。
 私は多喜二の文学と人生を語るうえで、多喜二の「人間」としての生き方に共感し、そこから学ぼうとします。講演するときには、人間・多喜二について語ります。しかし、多喜二を語りながら、多喜二をではなく、現代を語っています。あくまでも現代をどう生きるかがテーマといえるでしょう。

 なにか、多喜二のひとつだけを特に強調して、それを最優先しなければならないような言葉に出会うことがあります。あまりそれだけを強調されると違和感を覚えるのが、「日本共産党員作家・小林多喜二を語らずして小林多喜二は語れない」などというような強調の仕方です。
 先に「人間」の科学的分析について書きましたが、「人間」を出発点にして「人間」を説明することは至難の神業です。『資本論』が商品の分析から始まっているのは、まさに同様のことでしょう。
 多喜二を語るとき、社会的存在としての人間、当時の社会と意識の交互作用を見る必要があります。そのうえで、人間・多喜二を語り、多喜二がプロレタリア作家への道を進み、日本共産党に入党した必然性を語ることが大切だと思います。私も日本共産党員としての多喜二についても語っています。

 以上のように考えてみると、「日本共産党作家・小林多喜二を語らずして小林多喜二は語れない」と強調することは、科学的分析の方法論としても誤解を生じるおそれがあるのではないでしょうか。

 資本主義的生産様式が支配している諸社会の富は、「商品の巨大な集まり」として現われ、個々の商品はその富の要素形態として現われる。それゆえ、われわれの研究は、商品の分析から始まる。(『資本論』冒頭)

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、「共産党員・マルクス・エンゲルスを語らずしてマルクスは語れないということはない」
未来ブログの管理者さん、  =小林多喜二を論じるにあたっては、多喜二が生きた時代の考察が必要であり、その時代の中で多喜二がどう生きたかを考察が必要です。そこから何を学び、現代にどう活かすのかが問われていると思います。=ということ。 ...続きを見る
21世紀の小林多喜二への手紙。
2009/04/26 08:55

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