未来 ― 私達の力で歴史を動かそう!

アクセスカウンタ

zoom RSS 多喜二の視点から見た<身体><地域><教育>

<<   作成日時 : 2009/02/20 21:51   >>

トラックバック 0 / コメント 3

 昨年9月に行われた英・オックスフォード小林多喜二記念シンポジウム論文集が2月20日の多喜二忌に間に合うように発売されました。注目していただけに、どれほど入手することを待ち遠しく感じたことでしょう。

画像 本日から読み始めたのですが、このような視点からシンポジウムが開催され、それぞれの発表者が存分に現代における多喜二文学読解に力を発揮していることに衝撃を受けています。まだ全部を読んではいないのですが、本書のタイトルにもある「身体」を軸に据えた各論文の言葉の力に、身体中に電気が走るような痺れを何度も繰り返しています。「身体」という言葉での表現では括りきれない「生身の身体」「生きた人間」という、呼吸をし、意識を持ち、悩み、葛藤し、ひとつの言葉では表しきれないあらゆる人間の姿を包括した「身体」という視点から論じられています。

 私のもつ語彙では表現できない「身体」のもつ「生きる力」ともいうべき視点からの論点には驚きさえ感じます。これほどのシンポジウムが行われたのに、その場にいなかったことをこれほど残念に感じたことはありません。これからの多喜二研究にも欠かせない成果が詰まった一冊かもしれません。ぜひ、読まれることをお薦めします。
 とっいっても、まだ全部を読み終わってはいません。それでも、これほどの衝撃が身体中に走る本を手に取るのは滅多にないことです。ぜひ、みなさんも、ご自分の頭、身体で感じて欲しいと思います。

 今日読んだ中で、一番注目されるのは神村和美さんの「言説の彼方・空白の力―「救援ニュースNo.18附録」を中心に」です。
 トータルに読み取ることが求められるため、このようなブログで正確に紹介することは難しいのですが、多喜二文学を考えるうえで欠かせない重要な視点を提起しています。言葉だけを切り取って私などが紹介するのでは、誤解される恐れがあり、ぜひみなさんが自分の目で確認して欲しいと思います。
 「現実に根を下ろして大衆と問題を共有することへの多喜二の希求」を様々な視点から読み取ろうとする眼の確かさに驚愕します。「空白」を読み取りることによって可能になるとの読みに本当に驚かされました。
 そして、「頭ではなく身体全体で、言説の彼方にある現実を生きる存在としての女性を描き、言葉の力だけでなく、スローガンとは異質な少女の文体と空白の力を用いた多喜二は、社会を撃つ言葉を持たないと思われがちな弱者の言葉にこそ、耳を傾けるべき現実が潜んでいるんだということを伝えたかったしれない」との締めくくりは、私たちの日頃の意識の未熟さに警笛を鳴らす意味さえ持っています。

 「蟹工船」ブームに乗じて、「貧困」の可視化が言われるようになりました。このことを考えるとき、「社会を撃つ言葉を持たないと思われがちな弱者」の「空白の言葉」を聴き取れなかった私たちの認識不足を痛烈に批判されているようにも感じました。多喜二が、彼ら彼女らの「空白の言葉」を聴き取ろうした姿勢を、いまこそ私たちは学ぶべきでしょう。

 そして、多喜二は教えてくれます。これまで「空白の言葉」を聴き取れなかったのなら、聴き取ることができることになったいま力をつくせ、と。

 そして、彼等は、立ち上がった。―もう一度!

 いま、私は神村さんの論文から、この多喜二の激励の言葉の意味をあらためてかみ締めています。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
感動(泣)。

              
takahashi
2009/02/20 23:45
心のこもった感想ありがとうございます。小樽の会場でも好調の売れ行きでした。そういえば、小樽に大阪からもずいぶんいらしてましたね。
Prof.Shima
2009/02/21 07:16
おはようございます。
大阪の会長はじめ、大勢が墓前祭だけ参加されたと思います。かなり優雅な行程のようですが。
未来
2009/02/21 07:19

コメントする help

ニックネーム
本 文
多喜二の視点から見た<身体><地域><教育> 未来 ― 私達の力で歴史を動かそう!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる