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zoom RSS 「足跡」 プラムディヤ選集6

<<   作成日時 : 2008/04/27 17:45   >>

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画像 プラムディヤ選集6の「足跡」が取り寄せになっていたために中断していましたが、やっと「足跡」が届きました。手にとってビックリしたのですが、なんと786ページの厚さです。先月、廣津和郎の「新版 松川裁判」を読んだのですが、その726ページを超える厚さでした。持ち運びにも重いし、本を読むのにも手が疲れるのですよね。奥付を見ると10年前の初版でした。ほとんど売れていないことがわかります。

 といいながらも、さっそく読み始めたら前編から様相がガラッと変わって力強い筆致になっていることにまたまたビックリです。「すべての民族の子」までは、語り口調で書かれているのが、これは獄中で語りながら作られた作品という性格上そうなのでしょうが、主人公ミンケの生き方も世間の常識(非常識)の手の中で生き翻弄されているために、余計にミンケの弱さを感じるためでもあるのですが。
 「すべての民族の子」の最終で力強い旅立ちを予測させてはいましたが、「足跡」ではこれまでの苦難によって社会の現実を嫌というほど知った主人公ミンケが強い意志を持って生きる姿が描かれています。

 多喜二が「循環小数」をぐるぐる回ったように、ミンケもグルグルまわり続けながらも、強い意志をもって生きる人間へと成長しています。民族、愛国心、親の愛情などの様々な矛盾と葛藤、それらを乗り越え人間の尊厳を賭けた生き方へと突き進もうとする人間の姿が予測させるような力強さを感じます。
 そこにはどんな苦難が待ち構えていようが、人間として生きるためには避けては通れない闘いがあることを身をもって感じ取った力強さがあります。
 長編好みの私にピッタリの展開かも知れません。趙廷來「太白山脈」や金石範「火山島」を夢中になって読んだような状態になりつつあります。多喜二の長編が本当に読みたかったものです。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
ブラムディヤ、WHO?私は全く彼のことを知りませんでした。彼の著作は、1969年からの10年間の離島での勾留生活の中で、自身が語り部となって創作されたそうですね。彼の小説は1898年〜1918年のオランダ支配下のインドネシアが舞台。世界的にブラムディヤは知られ、いずれノーベル文学賞を受賞するのは間違いないそうです。ところが彼の小説は、インドネシアでは昔の多喜二がそうであったように、発禁状態です。
 1960年代の中頃、スカルノがクーデター(アメリカの後押しを受けた軍部による)によって失脚。大きな影響力を持っていたインドネシア共産党が大弾圧を受け、30万人近くの党員が虐殺され、ブガワンソロ(川の名前)が血に染まったと言います。彼は弾圧から生き残った民主勢力の一人なのでしょうか?
御影暢雄
2008/04/27 20:10
プラムディアについては、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%A4%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%BC%E3%83%AB

4部作・「ガラスの家」については
http://www.mekong-publishing.com/syohyo/syohyo.htm#2000nen
未来
2008/04/28 06:08
残念ながら、ノーベル賞は故人には授与されないので、プ氏は、未受賞のまま亡くなられたというわけです。非西欧語による文学が、ノーベル賞の弱点だということの、ひとつの悲しい証明です。
岩渕剛
2008/04/29 19:49

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