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zoom RSS プレカリアートからプロレタリアート

<<   作成日時 : 2008/03/27 06:18   >>

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 「古典への招待」上巻の続きです。少し戻って『ドイツ・イデオロギー』での「階級」についての記述に対する不破氏の要約文です。
 「ここでは、階級とは、生産過程で客観的に同じ立場に立ち共通の利害関係をもつ人びとが存在すれば、その集団がそのまま階級になる、というものではないとされ、階級的な「結合」という過程の進行が重視されます」 この「階級」論の展開が『哲学の貧困』では、「階級は生産関係のなかでの地位でおのずから規定されるが、組織や意識の発展とともに、「大衆それ自体にとっての階級」に成長する、という見方です」

 多喜二が、マルクスの「根本的な処に疑いをもって」いるころ、マルクスが「万国の労働者よ団結せよ!」と云ったことを「可愛い」と書きました。この時点の多喜二は、階級的な結合の重要性がまだわかっていなかったのでしょうね。
 循環小数や超人思想について、多喜二は日記などに書いていますが、多喜二がここで云っている「超人思想」と「団結」の理解が複雑に影響しているのでしょうね。

 「蟻」の話は、最初は「超人思想」の延長上にあったものが、その後少しずつ変化しています。その変化の中で考えると面白いかもしれませんね。

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小樽文学館「小林多喜二の肖像」に、雨宮庸蔵氏の談話が寄せられ礼ます。「不在地主」を中央公論に掲載するに至った頃の経緯を述べています。要約ですが、一般書物では読めないものなので紹介します。

 雨宮庸蔵氏談話
〜冒頭、氏が中央公論編集部勤務時、黒島伝治「氷河」が検閲にひっかかった経験を述べています。

「”時代の先取り”多喜二起用のこと」
そしてそうこうしているうちに私は、中央公論は、ともかく論説欄にしても中間記事にしても創作欄にしても根本的に変えなくてはならないと言うことを痛感して、編集会議の時に申したのでありますが、私の考えも十分練れていないものですから、私の考えをちょっと述べただけで、だから社長はじめ皆はどういうふうなことを(私が)言い出してくるのかと待っていたようであります。私はこの際、、中央公論は時代を先取りしたようなものを、ともかく論文でも創作でもいい、ともかく載っけてみる必要があるということを痛感しました。そして当時プロレタリア小説というものが時代の脚光を浴びていたような時でありましたから、これを一つ利用してみようと私は思いました。
 
御影暢雄
2008/03/30 16:30
(続き)そのとき、プロレタリア小説として取り上げる値打ちのあるものは二つしかない、というのが私の気持でした。それは徳川直という人のものと、小林多喜二という人、この二人だけがいわゆるプロレタリア小説として見どころがある、利用するに足るということを確信したのであります。
 しかし、それではどちらを採ったらいいかということになりましたときに、私はすでに徳川直君は「太陽のない町」という長編によって時代の脚光を浴びている。徳川君はこの小説を書くために持ち合わせていた材料はほとんど私は使ってしまったと思うのであります。ですから、徳川君はこれ以上小説を書くにしましても、その時の残りの材料を漁って短編でも書くよりほかはないと思ったのであります。
御影暢雄
2008/03/30 16:44
 (徳川君はまったく労働者風の男でありまして、仲々礼儀正しく気持ちの良い人でありました。印刷工であったらしいのですが、その身なりもそういった風の身なりで別に飾るような様子も無く、気持ちはいい人であるという印象が私には残っています。)
 だからこれから取り上げるとしたら、小林多喜二君より他にはないということを思ったのであります。
 小林君の方は、やはり子供の時に非常に貧しかったというようなことから、自からは作家というようなものを希望しながらも、その題材はそうした労働者なり農民なり、貧しい人々から材料を採ったと思うのでありますが、しかし彼は小樽に出てきましてから、いい案配といいますか、とにかく小樽商高を卒業したのであります。そして、れっきとした銀行員として勤めているのでありまして、その身なりなども徳川君とはまるっきり違って、ちゃんと背広を着てネクタイをしめて、そして礼儀正しく人に応対する、という風でありました。
御影暢雄
2008/03/30 18:02
 小林多喜二君を採ることにおきまして、そこには二つの私の標準がありました。それは第一に小林君は単なるプロレタリア作家ではない。この人はもともと作家希望である。作家としてともかく大成しようという野心に燃えている、と。たまたま貧乏であったために、プロレタリア小説というものにこだわっているのだ、と思いました。つまりこの人は作家をもともと希望していたということ、それが一つの力でありました。しかも彼は、私が調べたところによりますと、志賀直哉を大変尊敬していて、何とかして志賀先生みたいなような上の位置にまで登ることができないかというようなことを日夜願っていたということを、噂に聞きました。
御影暢雄
2008/03/30 18:14
 そしてこの作家志願という点が、私が小林君を時代先取りの場合の中央公論の候補者としてあげた理由なのですが、もう一つ、同時に私は彼が共産党員ではないということを確認しました。共産党員であれば、私はいかに彼が作家志望の念願を燃やしている人であったとしても、中央公論で大々的に採用するということはしませんでした。何故ならば彼の小説を掲載した場合、中央公論としてはこれに対して原稿料を払うわけですが、もし共産党員であるならば、小林君に渡った原稿料は、あるいはそのまま共産党に流れるかもしれない。そうしたことになれば、中央公論は共産党のシンパであるという誤解を受けることになります。私は小林君が根っからの作家志望であるということと、断じて共産党員ではないということを確認して、小林君に長編小説を頼むということを、編集会議のときに提案したのであります。
御影暢雄
2008/03/30 21:34
(雨宮氏の談話、以上で本文の4分の1を紹介しました。雨宮氏に、鋭い編集者としての嗅覚があったことが窺えますね。氏が、多喜二に作家として大きな活躍の場を与えたこと、そして多喜二の原稿を大切に保持したことを考えると、雨宮氏の功績は本当に特筆すべきものであったと言えます。)
御影暢雄
2008/03/30 21:45
(続き)
「”アクロバット編集”物議をかもすこと」
 小林君に頼むとして、その長編小説は中央公論の創作欄を埋めてもいいくらいの覚悟をして頼んだらどうかと思ったんであります。これによって時代の先取りをすると言う念願が達せられるのでありまして、それは中央公論が起死回生、よってこれから言論界に雄飛する一つの足場になると信じていました。
 編集長すれば、せっかく谷崎潤一郎さんからの原稿は来ている(「三人法師」)、半分が来て後の半分はやがて来ることになっている。これによって中央公論の長編創作欄を飾るということは当然であり、中央公論の伝統の王道ともいってよかったと思います。しかし、私はそうしてはいられないという気持になっておりました。小林君の小説なら、題材は労働者・農民などを一方において、一方には資本家・銀行・金融資本家・地主というようなものを置くことになるのではないか思いましたが、一般の興味を引くことができないとしても、時代の先取りをするという意味においてはこうした題材は仕方が無く、これは一応目をつむっていただかなくてなりません。
御影暢雄
2008/03/31 20:57
私は(多喜二の長編を)是非にとお願すべく、”いかがでしょうか、皆さん納得していただけるでしょうか”と、目上の人たちにうかがいました。そのとき社長は、”よし、ひとつやってみようじゃないか”と発言しましたが、編集長は全くびっくりして、ふだんからの思いも鬱積してしていたのか、”それはまるで、アクロバット編集である”と、はっきり申しました。これに対して嶋中さん(社長)はまったく怒ってしまって、握り拳を握って、”よし、それなら雨宮君を編集長にする”というようなことを言い出したのです。私も、他の先輩たちもびっくりしました。私は編集の責任者になりたいから、小林君を一生懸命推薦しているのではない、そんあことは全く思いもよらないと述べ、その場は一応収まりました。
御影暢雄
2008/03/31 21:11
(中略)いずれにしましても、小林君を採用する、登用するということ自体が、しかも長編小説でこれを雑誌に載せるというようなことは、まことに冒険であると思います。だから私はこれが文芸作品として果たして承諾できるかどうか、つまり普遍的人間性を正確に捉えられ、そしてそれができれば美しい文章によって表現されることができるかどうか、まことに我々谷崎さんの文章なり、島崎藤村の文章なり、あるいは志賀直哉の文章なりというようなものに親しんで、それを高九評価しているものにとりましては、小林君の作品を大きなスペースを割いてのっけると言うようなことはまことに乱暴であるかと思います。そういうふうに見られても仕方ないと思います。
御影暢雄
2008/04/01 19:40

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