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zoom RSS 多喜二の全小説を書評に!

<<   作成日時 : 2006/05/09 20:45   >>

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 2月18日秋田多喜二祭以降、『小林多喜二全集』を読み始めた。全集を読み通すのは三度目だが、今回は多喜二の小説のすべてを書評にしようと決意した。これがかなり大胆な決意であったことを痛感している。
 多喜二の初期の作品は短編ばかりというところに、私にとって良くもあり、悪くもある。良いこととは、二度読んでから書評が書けること。悪いこととは、短編を苦手とする私の意識である。こんなことを考えながら悪戦苦闘中。とりあえず17作品の書評を書いたが、本当にとりあえずというのが正直なところである。

 本当は、多喜二の生涯や日記を追いながら、並行してその時々の多喜二の小説を読むほうがよいのだろうが、今回は全集を順番に読むことにしている。これまでの読書とは違って、各作品にメモ的な書評を書いているから、今後日記などを読むときに振り返ることができると、私なりには思っている。かなり無謀で雑な読み方の書評であるが、それでも全作品に書評を書くことを自分に課したからにはやり遂げたい。
 ただひとつの拠り所は、これまで読書に関して決意したことはすべてやり遂げてきたという点だけだ。でも、書評を書き続けるというのははじめての試みなのだが。

 ここまで読んできて、多喜二が問題意識として考え続けたテーマは、現代にも内在している問題だと感じたことである。人が「生きる」ことの価値観の問題。今日的に言えば「自己責任」論がもつ支配者の責任免罪の問題。そして、いま一番感じているのは、多喜二の小説に頻繁にあらわれる「何時かキットいいことがある」という民衆の意識の問題である。

 小泉首相をはじめとした新自由主義推進者たちは、よく 「努力した者が報われる」制度ということをいう。ここに大きな誤魔化しがあるのだが、これを「改革」などという言葉によって、あたかも「何時かキットいいことがある」という気にさせるマジックがある。多喜二は、努力していれば「何時かキットいいことがある」とただ思っているだけではいけないと警告している。
 ここには幻想があり、精一杯働いても報われない社会的な問題があるのだと、何度も何度も主張しているのだ。多喜二自身も、じゃあどうすれば良いのかに悩んでいるから、何度も何度も同じテーマが繰り返された。
 そして、その根本的な問題に気づき、その社会的問題を根本的に変えるために何をしなければならないかに気づいた時、多喜二の人生は大きな転換を迎えた。そこからの試行錯誤しながらの、そして真っ直ぐな生き方に現代の私たちが魅せられるのだろう。

 まだ読み直し始めたばかりだが、現代にも引き継がれる多喜二の問題意識を感じている。いまは、思いついたことだけを述べたい。

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
未来さん 無謀な計画ですね(笑)
それは手塚英孝にも、津田孝も成し遂げえなかった仕事ですよね。

キーワードは「人権」。
人間して誇らしく生きる権利であり、人を愛する権利、闘う権利ですよね。

僕もあわせて全集を読み進めたいと思います。

今日の 朝日新聞 夕刊 文化欄 宮崎哲弥「進む保守思想の空疎化」は面白かった。
Jun_Takahashi
2006/05/09 21:19
訂正

「人間して」を
「人間として」に訂正。
Jun_Takahashi
2006/05/09 21:48
 そうですよね。無謀な挑戦ですよね。本当に、痛感しています。読者でいるのは楽なんだとあらためて感じています。
 「人権」は黙っていては守れないし、拡大できないものだと感じています。人類の闘いの成果が今日の到達点であり、これさえ闘い続けなければ後退します。
 現代の「思想」、思想といえるかどうかさえ疑問なものが氾濫しています。現実を弁証法的にみれる思考を見につけたいものです。これが難しくて悪戦苦闘しているのですが・・・。
未来
2006/05/10 05:32
思想を持つことを怖がる人々。「無思想」もまた思想である(それは情念としての保守主義でもあるのかもしれません)ことは自明なのですが、受け入れ易い思いであるのかもしれません。しかし、不可解な現実世界と格闘し、前に進もうとしている人々はより高度な思想方法を求めようとしているのだろうと思います。
Jun_Takahashi
2006/05/10 09:50
未来さんがんばってください!!!
未来さんは育児の経験もあるのですね、私も目下二人の幼児を子育て中ですが、家族も大事にしながら自分のライフワークもしっかり見据えて努力なさってるのはほんとに素晴らしいと思います☆私はお金がないので多喜二の全集はまだ買えていなく、友達からもらった中古の「ザ・多喜二」で飢えをしのいでおります^^こんなわたしですが、書評たのしみにしてます♪♪♪
めい
2006/05/10 18:05
多喜二の全集の書評とは・・すごいことを試みようとしてますね。多喜二がもし長生きしていたら、もっと大変なことでしたよね。
私も数は少ないけれど、多喜二の書いた本を読み、映画を観て今の時代だからこそもっと多喜二は取り上げられすべき作家であろうと思います。
今の日本の政府は負の負担ばかりを我々国民に押し付けようとしています。そして戦争をできる日本へと変えようとしてます。多喜二が生きた時代と符合するような気がしています。本当に恐いことです。
多喜二が目指したものは「すべての人の幸せ」だったと思います。その想いを未来さんはしっかり受け止めて
何かしらの形で残そうとしているのですね。
頑張ってください!私も応援しています。
おきよ
2006/05/10 20:19
 おきよさん、いつもありがとうございます。レビュージャパンの「九条の会応援同好会」は私の責任かもしれませんが盛り上がりにかけています。反省しています。もっとレビュージャパンの参加者に広がればいいのですが。
 「多喜二の全小説を書評に!」は、本当は恥ずかしいのです。自分を鼓舞するために書いた次第です。
未来
2006/05/10 20:57

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