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zoom RSS 『ユートピア』/トマス モア/岩波文庫/「ユートピアはどこにあるのか」

<<   作成日時 : 2005/12/03 06:30   >>

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 「ユートピア」とは、「どこにもない国」という意味でモアの造語である。架空の国に行ってきた人から、その国の制度や暮らしを聞き、モアがそれをまとめたという設定のもとに物語りは進められる。

 この物語には、当時の社会批判がたっぷりと込められている。その裏返しとして「ユートピア」を対置している。1516年に書かれたものとして読むとき、この物語の画期的な部分が浮かび上がってくる。
 資本主義の本源的蓄積の段階を「もし国内のどこかで非常に良質の、したがって高価な羊毛がとれるというところがありますと・・・百姓たちの耕作地をとりあげてしまい、牧場としてすっかり囲ってしまう」「たった一人の強欲非道な・・・人がいて、広大な土地を柵や垣で一ヵ所にかこってしまう」「多くの農民が自分の土地から追い出されてしまう」という例をあげながら分析している。最初に資本主義が発達したイギリス人ならではの観察力に感心した。

 また、死刑制度についても「世界中のあらゆる物をもってしても、人間の生命にはかえられない」という視点から反対している。同様な視点から、「戦争で得られた名誉ほど不名誉なものはない」との考えを示している。これは、今も考えなくてはならない視点であろう。

 私が最も注目したのが労働と自由の問題である。ユートピアの国では、6時間労働制が実現されている。そして、余暇を「精神の自由な活動と教養にあてなければならない」ことになっている。「人生の幸福がまさにこの点にある」と信じているからである。
 だからこそ、働かずに他人の労働の成果を搾取して暮らす貴族や軍人などへの批判は痛烈である。安藤昌益ほど痛烈ではないが、大切な視点だといえる。
 また、信仰の自由を保障する発想は当時としては画期的だったのではなかろうか。

 しかし、時代的な制約かもしれないが、身分制度や奴隷制度に対する批判は徹底していない。職業には貴賎があって、賎しい職業は奴隷がするとの考えには唖然としてしまう。

 多くの限界と欠点をもってはいるが、今も通用する考えが示されている。8時間労働制さえ変形させられている今、6時間労働制と自由との関係は非常に重要である。

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