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zoom RSS 『風車の見える丘』/旭爪 あかね/新日本出版社/「あきらめることは止まることだ、理想も大切なんだ」

<<   作成日時 : 2005/11/13 15:48   >>

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 大学時代に環境問題から風車に魅せられた5人。4人が大学を卒業し、1人は留年。それぞれの道を進もうとする5人が誓い合った。
 「これから先、自分の力や未来を信じられなくなることがあったらな。今日の誓いを思い出すんだぞ。それでもって、ひとりで悩まず、必ず他の4人に相談するんだぞ」

 5人は、それぞれの理想をもって会社や役所に就職、教職員やジャーナリストをめざす。しかし、世の中の現実は、理想どおりに生きることを許してはくれない。

 環境によい土の研究ができると入社した会社の実態は、儲け優先で調査データーの改ざんを命令される。その会社の矛盾に悶々とする新。しかし、5人のうちの1人で付き合っていた恋人ゆかりにも、仕事の悩みを伝えることができない。
 イキイキと働いている彼女に妬ましさを感じ、悶々とするうちに彼女から別れを告げられる。
 それをきっかけに、会社を退職し農園のアルバイトに行く新。動機は彼女の隣町だというものだったが、そのうちに農業を生涯の仕事にしようと決意する。

 教職員試験に何度も落ち、講師をしながら挑戦を続けるうちにうつ病になる拓郎。編集社の倒産、新しい編集者に勤めるものの矛盾を抱える榛名。農業普及員になり妻帯者の先輩に恋するゆかり。大学を退学し、農業を継ぐのを嫌がってトラック運転手をする靖。

 5人の誰もが悩みを抱えながら、相談しあうのではなく、お互いに嫉妬と競争心を持ち続ける。
 そんな新を取り巻く状況の中で、引きこもりで苦しみSOSを出した『稲の旋律』の千華が登場する。千華のその後も知ることのできる作品で、千華だからこそ気がつく新のSOSの場面では目頭が熱くなる。
 新のSOSに気がついた千華の求めに応えて、夜中に車を飛ばして千華と一緒に駆けつけた靖。人と人との絆の大切さが身にしみる。

 トラック運転手の劣悪な労働条件、データー改ざんを平気で行う企業倫理、農家を押しつぶす農業政策、競争を強いる社会の現実。そんな社会への批判が詰まっている。
 それでも懸命に生きようとする人々。5人もそうだ。大学に風車が設置されることが決まり、協力を申し出る。その時、靖は・・・。

 集まった4人は最初の誓いを改めて思い出し、靖にその声を届けようとする。挫折をしながらも現実に立ち向かい、理想を忘れない生き方をしようとする青年たちに声援を送りたい。そして、誰もが生きやすい世の中にしなければならないと思う。
 人間の苦悩を理解し、そこに希望を与えようとする著者の想いは、この作品にも貫かれている。

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