未来 ― 私達の力で歴史を動かそう!

アクセスカウンタ

zoom RSS 『トルストイの生涯』/ロマン・ロラン/岩波文庫/「平和を願い隣人愛を訴えた文豪」

<<   作成日時 : 2005/10/02 09:59   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 トルストイは青年時代に大きな影響を受けた作家である。高校から大学時代まで貪るように読んだことを思い出す。当時、好きな作家の筆頭はトルストイであり、その次がドストエフスキー、夏目漱石だった。トルストイから大きな影響を感じたのは『戦争と平和』『人生論』であった。
 今では、小林多喜二が一番好きな作家であるから、大きな変化といえようか。それでも、『戦争と平和』は、また読んでみたい本の上位である。

 ロマン・ロランもトルストイから大きな影響を受けた。そして、生涯その影響を受け続けた作家ともいえる。本書には、ロマン・ロランの思いが色濃く反映している。トルストイへの敬意、愛情、友情が込められているといっても過言ではないだろう。

 本書の特徴は、トルストイの作品からトルストイの考えや人間像を描き出そうと試みていることであろう。それゆえ、トルストイの作品の多くが登場する。トルストイファンとしては魅力的な構成と言えるのではないだろうか。

 前半にトルストイの生涯の思想変化が、トルストイ自身の言葉から明らかにされている。
 「私にとっては、すべてのものが明らかで、合理的で、きちんと整理がついていて、宗教を取り入れる余地などないのでした」
 それが再び、神を信仰するようになる。しかし、トルストイは教会を非難し、教会と縁を切る。自分だけが神を信仰する精神へ変化していくのである。

 トルストイは、教会に反対し、社会主義者に反対した。その背景には、トルストイの信仰があった。ここのところをロマン・ロランはかなり詳細に踏み込んでいる。
 興味深いのは『復活』の中の引用である。「それまで僕は革命家たちの残忍さや、犯罪の隠し立てや、陰謀や、自負心や、自己満足や、我慢できない虚栄心などに対して、反感を抱いていた。しかし、彼らの近くに寄って見、権力者からいかに扱われているかを見ると、彼らがけっして他人でないことを覚ったのであった」
 ロマン・ロランは、「トルストイはあらゆる犠牲を含んでいる彼らの高い義務の思想を眺めたのである」と記している。

 トルストイが同じ意見と表明したのは、ルソーの考えであり信仰であった。信仰によって人々を最後は解放できるとトルストイは考えた。
 しかし、現実はそうではなかった。トルストイ没後から95年、いまだに戦争はなくなってはいない。トルストイの思想では、現実的な問題解決はできない。
 平和と自由が花開く社会をつくるために、私たちはトルストイの平和思想を学びながらも、乗り越えなくてはならないだろう。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『トルストイの生涯』/ロマン・ロラン/岩波文庫/「平和を願い隣人愛を訴えた文豪」 未来 ― 私達の力で歴史を動かそう!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる