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zoom RSS 『近代日本文学への射程』/祖父江 昭二/未来社/「「人間」への想い溢れる近代文学研究」

<<   作成日時 : 2005/10/13 05:24   >>

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 近代文学研究者による近代文学研究とは、その視点には同等な人間観が溢れている。

 第一部「近代日本の文学と朝鮮・中国」と題し、中国や朝鮮を蔑視した国民としての反省の立場から、著名な作家が中国・朝鮮をどう見たかが描かれている。
 夏目漱石や芥川龍之介の中国観に、最も近代日本の蔑視的視点が反映しているとの分析には、説得力を感じる。それと対照的な谷崎潤一郎やプロレタリア文学者の分析は、前段の分析があるためにわかりやすいものを示している。
 魯迅が、夏目漱石の『満韓ところどころ』に著した視点に嫌悪を示したとしう具体的な指摘に、その真髄が示されているだろう。

 第二部「社会主義的な諸思想を学ぶ」は、哲学や経済学を専門としない近代文学研究者ならではの斬新な視点が示されている。
 幸徳秋水の無政府主義に対して、レーニンがボルシェビキから否定的に見られているナロードニキの評価すべき点をわかりやく説いた言葉を引用し、進歩的な点は「遺産」として学ぶべきとの視点を示している。この点は、とくに優れた視点だと思った。

 また、河上肇や戸坂潤の思想的功績だけでなく、その時代を真摯に生きた人への共感が溢れているだけに、著者の主張に真摯に耳を傾けることができる。
 戸坂潤の分析の中では、要求に基づく共同の視点が示され、今日も考えなければならない提起さえ含まれている。

 細部では、理解しにくい記述もあるが、大筋としての著者の視点に大きく頷くところが多かった。

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