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zoom RSS 『マクロ経営学から見た太平洋戦争』/森本 忠夫/PHP研究所/「矛盾に満ちた狂気の『魔性の歴史』」

<<   作成日時 : 2005/10/12 05:55   >>

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 私の書評を根気良く読んでいただいている人には、この表題及び出版社の本を書くなど奇怪に見えるかもしれない。マクロ経営学を論じたこともなければ、PHP研究所の本を読むのも初めてである。

 ところが、この本は違った。著者は「はじめに」で、「自給可な物的資源、効率的経済制度、高度に発達した基礎技術と生産技術」などを「決定的に欠いていた日本は『八紘一宇』という蜃気楼の旗印の下で東南アジアの諸国から物的資源を掠奪し、これらの諸国を敵に追いやる撞着を増幅した」そして「崩壊への道を必然的に歩むこととなった」
 「敗北から、六十年の歳月が閲した。だが、今もなお戦争のあまたの傷痕が」「外交関係に暗い翳を落としている」
 「自分の尺度でしかものを考えないといわれる日本人の思考様式は今も変わっていない」と警告する。

 この「はじめに」で書かれた、物的資源に不足し戦争を遂行する経済実態のなかった日本経済の実態を、これでもか、これでもかと分析している。経済的な分析だけではなく、兵力の分散、戦争責任者の無能ぶり、戦争戦略の無計画性、そのすべてがデタラメであったことを綿密に分析している。
 極めつけは「開戦間際になって、戦備や作戦に関する見通しの研究よりも、開戦決意が先走ったという」「驚くべき」実態である。「つまり」「一握りの戦争推進者たちが国民を扇動して、”時の勢い”をつくり、それが国家的破滅へとつながっていったという」内実は、今日を考えるうえで重要な教訓といえるかもしれない。

 小泉首相の「改革なくして前進なし」という決意論など、その典型かもしれない。「改革」との幻想をふりまかれて激痛続きの昨今。いつまで経っても、明るい未来は見えてこない。
 小泉首相のフィクションに始まりフィクションしかない「改革」の幻想に振り回される国民の姿がダブって見えてしまう。

 著者の視点が、勝てる戦争ではなかった、という視点だけならばこの書評は書いていないだろう。著者は、戦争そのものに対する怒りをもっている。だからこそ、日本の起こした戦争の幻想と狂気の沙汰を徹底的に分析している。
 「かけがえのない青春の命を人身御供として人類史上類例なき、人間を一個の爆弾として省みることのない、特攻と呼ばれる非道の策」を「広島や長崎の原爆とともに、我々はこのことを決して忘れない」、と締めくくられている。

 私は言いたい!「私たちも決して忘れてはならない!」と。心の底から叫びたい!

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