未来 ― 私達の力で歴史を動かそう!

アクセスカウンタ

zoom RSS 『近代国家を構想した思想家たち』/鹿野 政直/「過去の思想は未来へと続いている」

<<   作成日時 : 2005/09/11 17:37   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 岩波ジュニア新書を手に取るのは二冊目であるが、ジュニア新書とは何歳から何歳までを対象にしているのであろうか。大人にも読める内容も多く、少し疑問に感じた。

 さて、本書は、明治維新前から戦前の思想家25人を紹介する書となっている。渡辺崋山、坂本龍馬、福沢諭吉、中江兆民、内村鑑三、石橋湛山、幸徳秋水、戸坂潤、河上肇などなど。
 思想家に坂本龍馬が含まれているのは、著者いわく「龍馬をなぜ思想家の列に置くのか。もっぱら彼が、封建制度からもっとも自由な精神を身につけるに至っていたことによる」という。説明の趣旨には賛成するが、思想家の列に置くのは疑問かもしれない。

 わずか181ページの新書に25人の思想家を取りあげているため、各人の思想や意義が十分につかめる書とはいえない。ずいぶん欠陥をもった書だ。
 幸徳秋水の項では、幸徳秋水が「天皇暗殺計画への関与」によって刑死したというふうに書かれている。天皇制政府のでっち上げを無批判に記述するという、信頼できない内容もある。

 また、社会主義の捉え方に、著者の未熟かつ狭い認識が露呈している。著者は、ソ連崩壊によって社会主義の敗北感をもったのであろう。しかし、著者の頭の中には、そもそもソ連が本当に「社会主義」だったのかという検証さえされていない。
 せっかく、戸坂潤や河上肇を取りあげながら、彼らの思想が現代に発展し、未来に向けた役割を果たしているということに、思い至っていないと見受けられる。

 ただ、今日の「日の丸・君が代への敬礼と唱和が、踏絵とされる事態が起きている」という認識はもっており、思想史のもつ意味については考えているようである。
 著者はプロローグで本書を「参考図書」と述べているが、たとえ「参考図書」であったとしても、不満を感じざるを得なかった。
 それでも、教科書に載っていない思想家も含まれており、限定付ではあるが、「参考」になった部分もある。若い人たちがいろいろな過去の思想家を知ることは大切である。本書を読む人があれば、ぜひ本書に留まらず、学んで欲しいと思う。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『近代国家を構想した思想家たち』/鹿野 政直/「過去の思想は未来へと続いている」 未来 ― 私達の力で歴史を動かそう!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる