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zoom RSS 『希望』林 京子

<<   作成日時 : 2005/08/12 04:39   >>

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 表題作『希望』のほか、『収穫』『ぶーらんこぶーらんこ』『ほおずき提灯』『幸せな日日』が収録されている。もっとも心を揺さぶられたのは『希望』である。

 8月9日、長崎への原爆投下。その一瞬の間に父を亡くした貴子。被爆地に父を探しに出掛けた貴子は、瓦礫の下敷きになったままの父の遺骸を抱きしめる。

 成績優秀で、医科大学への進学をめざしていたが、父親の死はその希望さえ奪ってしまった。生活のために難関を突破して銀行に就職したが、高卒の彼女にはまともな仕事は与えられない。後から就職した大学卒の後輩が出世していく。

 貴子の心の傷は、父親を亡くしたことだけではない。二次的「被爆者」という現実であった。理想的な男性からプロポーズを受けるが、断ってしまう。
 日時が過ぎ去り、同じ男性から再度プロポーズされた貴子は承諾する。「わたくしは一人の女性として対等に生きられる結婚を希んでいます。八月九日のマイナスを負った女としではなく」

 しかし、結婚して4年目になっても、妊娠の可能性がある日には拒絶を繰り返す。八月九日の傷が痛み出すのである。
 夫、諒は「こだわり続けてきた禁欲日を自らの意思で解いて命を創造する、そしてそのことが、貴子自身の再生である」ことに気づく。

 「創りましょう、わたしたちの赤ちゃんを」と貴子が言ったとき、絶望から希望の光が現れる。
 「一人で頑張ることはないんだよ、一緒に歩いていこう」

 原爆の悲劇を描くだけではなく、再生めざし助けあう夫婦。いや、物語は夫婦の話だが、ここには皆で助けあう希望ある未来を願う著者の想いが込められている。
 いまだに、戦争の傷痕は残っている。被爆者問題も全面的には解決していないし、核の脅威に人類は晒されている。

 原爆投下から60年の今年、ノーモア、ヒロシマ!ノーモア、ナガサキ!の声を世界中に発信しよう!

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