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zoom RSS 『鉄道員』浅田次郎

<<   作成日時 : 2005/08/12 04:32   >>

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 「鉄道員」(ぽっぽや)をテレビで見たのは何年前か。よい作品だと思ったが、不満な点があった。
それは、子供が死にそうな時、妻が死にそうな時に、「ぽっぽや」だから駆けつけられないことは仕方がない、それが「ぽっぽや」の宿命であるかのような描き方がされていたことだ。

 私は、主人公である「ぽっぽや」を責めているのではない。その状況を知りながら、替わりの要員を直ちに配置しない鉄道当局の姿勢に怒りを感じる。
 だのに、この放映作品では、その点の追求が十分にされていない。ただ、「ぽっぽや」の任務と誇り、それをあくまでを守り通す一人の男だけが描かれている。
 たしかに、職務をまっとうする人間の素晴らしさは描かれている。それはそれで大切なことかも知れない。しかし、それだけでいいのか。ずっと気になっていた。

 本書を読んで解決した。作者は、国鉄当局、そしてJRへの民営化に伴う問題点を描いていた。一人一人の人間性を否定するような問題について、指摘していた。

 放映作品は、「ぽっぽや」の職業意識の尊さを描こうとするために、大事な点をぼかしてしまったのでないか。それは、狭い視点だと思う。
 仕事も大事にする。人も大事にする。この両方が描かれてこそ、本当に大切なものが描かれるのではないか。

 この本には、8つの短編が収録されている。いずれも、人間が生きるうえで大切にしなければならないことが、現実批判を描きながら示されている。
 霊が出てくる共通の手法には少し辟易するが、作者の広い視野と社会の矛盾を分析する目には感心した。引き続き、社会的視点からの作品を期待したい。

2004-04-03

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