未来 ― 私達の力で歴史を動かそう!

アクセスカウンタ

zoom RSS 『下山事件』森達也

<<   作成日時 : 2005/07/24 05:30   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 1949年7月から8月に起き、真犯人はもちろん真相が未だに判明していない事件がある。初代国鉄総代下山定則の轢死体事件、無人電車暴走の三鷹事件、列車転覆の松川事件の三事件である。本書は、この三事件のうちの下山事件の真相に迫ろうとする。

 敗戦、そしてアメリカ占領から四年目のこの時期、GHQの民主化政策が大きな転換点を迎えた。国民の支持を広げ始めた共産党に対する態度が180度転換したのだ。本書では容共から反共への転換と記されている。そして、この三事件を契機に、「日本は大きく舵を切った」と。
 事実、マッカーサーは吉田茂に「自由社会で認められている自由と権利の一部をいっとき放棄するのもやむをえない」との書簡を送っている。

 その評価は別にしても、謀略事件が多発した事実がある。3年後に起きた菅生事件では、派出所を爆破したとして共産党員が三名起訴されたが、犯人は現職の警官だった。このような事件が下山事件頃から多発したのである。
 下山事件の遺体発見直後、政府首脳や国鉄幹部は共産党犯行説をしきりに示唆した。そして、三事件の発生後、共産党への脅威感は国民感情として定着したという。
 そして、どこからみても他殺の下山事件は、自殺として幕を降ろされた。真相を知られたくない勢力が、自殺として幕を降ろしたのが真相だ。

 その後、三鷹事件、松川事件で逮捕された共産党員は十数年の裁判闘争を経ていずれも無罪となったが、真相は未だに判明していない。
 真犯人はどこかにいるのだ。そして、なぜこんな事件が引き起こされ、共産党の仕業にしようとしたのか。その真相と本質に迫ろうとするのが本書の目的でもある。

 本書は、下山事件と松川事件が繋がっていることを示唆するとともに真相の解明に迫っている。当事者の確たる証言のないもとで断定はできないが、その調査による推定は真実に迫っていると思う。

 ところで、この本が出版されるまでのテレビ、ジャーナリスト界での話に、読者は驚かされる。利益至上主義はジャーナリズムにまで浸透している。これでは真実の報道が追及されなくなるのではないかと危惧する。
 著者は、「下山事件は終わっていない」と強調する。歴史は続いているのだ。だからこそ、明らかにしなければならない社会的本質に迫ろうとする著者にエールを送りたい。

2004-03-24

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『下山事件』森達也 未来 ― 私達の力で歴史を動かそう!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる