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zoom RSS 『戦争と文学』伊豆 利彦

<<   作成日時 : 2005/07/12 20:40   >>

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 一言一言を噛みしめ、何度も何度も前の文章を読み返し、やっと読み終わった。ひとつとして読み落としてはならない、そんな想いにかられた。最近、これほど力を込めて読んだ本はない。
 それほど、著者の全力込めた情熱が伝わってくる。過去に生きた多喜二を語るのではない。いまを生きる私たちが、いかに生きるのか、いま、それが問われているのだ、そんな著者の訴えが身体中に伝わってきた。

 青年期に敗戦を迎えた著者は、「いまの若者が多喜二を知らないように、私たちも知らなかった」「戦後になってはじめて、戦争に反対してたたかった人たちがいることを知った」と、多喜二との出会いで述べている。
 そして、著者は知った事実を身体中で受け止め、その気持ちを高めながら生きてきたようだ。そして、その高まりは今も旺盛である。私は本書から、そう読み取った。
 そんな著者の全身全霊をかけた言葉を、読み落とすわけにはいかない、そして負けてられるか、という意欲が沸いてきた。

 お断りしておきたい。本書は一度読んだだけで書評を書くべきでない、と感じた。しかし、私は読み終わった時の情熱と直感を述べずにはいられないところがある。今回もその立場から想いにまかせて書くことにしたい。

 第1章「いま、多喜二を考える」の「考えたこと」に前述の感想をもった。そして、著者の情熱にうたれた。いま、私たちがすべきことを的確に語っている。ぜひ読んで欲しい!
 「若き多喜二の彷徨と発見」には、ここまで生身の多喜二をえぐり出す必要があるのか、最初にそう思った。しかし、読み進むにつれ、葛藤と矛盾に苦しみぬいた多喜二だからこそ「闇があるから光がある」とタキに語り、自分に同じ言葉を語ることができた多喜二の人間像が浮かび上がってくると気づいた。
 ただ、多喜二を知らない人には、暗さが強調されるのではないか。そんな危惧をいだいてしまった。

 第2章「プロレタリア文学とその理論をめぐって」は、まったく同感である。とりわけ蔵原惟人に関する記述は、わかりやすいものがある。私は、蔵原の歯切れのよいところが大好きである。その最も蔵原らしい理論を展開した核心が本書で取りあげられている。

 第3章「小林多喜二と志賀直哉」に、いまを考えるうえで重要なポイントがいくつも含まれていると思った。
 「多喜二が直哉に『直哉の立場から』の批判を求めたことは注目すべきことである。階級的、思想的立場が異なっても、そうした立場のちがいを超えて、ひとつの作品に対する芸術としての批評が成り立ち、そうしたちがった立場からの批評を大事にしたいという考えが、多喜二にはあったのだ」

 「相互に立場を認めながら、自分の立場を認めながら、自分の立場、自分の気持ちを率直に遠慮なく述べ、また相手の意見を謙虚に聞こうとするところに、立場を異にする者の間の相互批評が成り立つ、この点でも統一戦線の問題がさし迫って重大な意味を持つ現在、多喜二と直哉の往復書簡は大切な問題を提起している」

 引用が長くなったが、今日でも本当に重要な問題であることは著者の言うとおりである。まだまだ、語りたいことは山ほどあるが、これぐらいにしたい。
 難しく、やさしくないところもあるが、ぜひ読んでみて欲しい!戦争と文学―いま、小林多喜二を読む
戦争と文学―いま、小林多喜二を読む

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コメント(2件)

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− ニックネームなし −
2005/08/18 01:29
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− ニックネームなし −
2005/08/18 01:34

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