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zoom RSS 『わが「文学史」講義』/杉野要吉/武蔵野書院/「自然」と「人間」とは何か

<<   作成日時 : 2005/06/18 10:58   >>

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 早稲田大学名誉教授の講義内容の記録。サブタイトルに「近代・人間・自然」とあるように、近代文明化に対し、「自然」とは「人間」とはを、近代文学を示しながら講義する。

 取り上げられる作家は、柳田国男、国木田独歩、田山花袋、夏目漱石、有島武郎、小林多喜二、堀辰雄の七人である。それぞれの作家の著名な作品を読みながら、近代・自然・人間を問う。

 私自身の話になるが、中学・高校時代から20代にかけて近代文学に傾倒し、著名な作品の殆どを読みまくった。おかげで、本書で取り上げられる作品も読んだものばかりで、大変興味深く講義の世界に入ることができた。唯一、柳田国男の「清光館哀史」は読んでいなかったが・・・。

 著者は、近代の文明化が自然を破壊することに対し、それぞれの作家がそれを批判的に作品に盛り込んだことを強調する。しかしその強調の仕方が、「文明化」イコール「反自然」という形式的な表現に陥りかねない危うさを持っている。
 文明化が自然を破壊し、人間性を破壊し続けているという指摘は的を得てはいるが、文明の全てを拒絶しなねない勢いとなっていることには違和感を感じる。

 私が特に興味深く読んだのが、有島武郎から小林多喜二への講義内容。自然と人間の問題、そして社会の現状にどう対応したかという視点から描かれていることにスムーズさを感じた。そして小林多喜二が人間性を奪う近代にどう対峙したかの描写には好感がもてた。

 著者の思いは、24ページにもおよぶ「あとがき」に集約されている。21世紀に生きる人々への想い、平和への想いが訴えられている。人間が大切にされる21世紀へ一人一人の力が必要なのだと訴えていると感じた。
 読んで良かったと思える作品ではあったが、6000円はちょっと高すぎるのではないか。作品の価値がというつもりはない。あくまでも財布の中身との話である。

2004-02-04

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