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zoom RSS 『科学を読む愉しみ』/池内了/洋泉社/「活字中毒科学者の読書日記」

<<   作成日時 : 2005/06/01 05:25   >>

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 科学者が書いた本を読むことはあるが、これほど何冊も読んだ科学者は池内了がはじめてかもしれない。著者は、科学のロマンだけでなく、科学の「正」の「負」の側面をしっかりと見据えながら、科学を語っている。

 多くの科学者のように、専門バカになるのではなく、科学と人間、科学と社会、そして環境問題から政治まで、人が生きている社会での現象や問題点を捉えようとしている。

 「かつては寺田寅彦とか、中谷宇吉郎、あるいは湯川秀樹や朝永振一郎というような、科学の研究で大きな成果を挙げただけでなく、名文で鳴らした物理学者が多くいた」「また、彼らの社会的な発言が、人々を勇気づけたり、国の政策に影響を与えたこともあった。科学が科学者だけに閉じず、科学者は社会と多くの接点を持っていたのである」
 「しかし、近年、そのような科学者はめっきり少なくなってしまった。科学が社会に、よりいっそう大きな影響を与えるようになったにもかかわらず、かえって科学が人々から遠ざかり、科学者の顔が見えにくくなっているようだ」

 著者の思いが込められた文章だと思う。本書は、そんな著者の薦める170冊の本の書評が詰められている。私が、一番感心を持っているのは「人間とは何か」「人はどう生きるのか」という哲学的テーマであるが、哲学と科学は切り離せないと考えている。
 とりわけ、最近の科学技術の発展により、生命倫理など従来では考えられない新たな問題がクローズアップされてきた。そんな時に、様々な科学的分野の本の紹介や、それに関する著者の発言は参考になった。

 社会問題についての著者の発言や、哲学的思考の方法等にいくつか同意できない点はあるものの、科学を利益優先ではなく人間の明るい未来のためのものとの考えに共感する。
 本書には、科学書以外の本の書評も含まれている。科学にいまのところ興味のない人も、ためしに読んでみてはどうだろうか。著者の人間性に触れることのできる一冊でもある。

2005-04-24 REVIEW JAPAN 投稿

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