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zoom RSS 『きみに読む物語』/ニコラス・スパークス/アーティストハウス/「愛する人に語り続けることのできる物」

<<   作成日時 : 2005/06/11 16:42   >>

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 「詩人はよく、愛を手におえない感情だと表現するよね。論理や常識など、どこかにすっとばしてしまう感情だと。それが、あのときのぼくにぴったりの言葉だ」
 「ぼくたちは恋に落ちた。そして、そのとき、めったなことでは見つからない美しいものが生まれたんだ。ぼくにとって、ああいう愛はただの一度しかなかった」

 ただの一度しかなかった愛を引き裂いたのは社会の常識なのか。現実の社会と、その価値観は正しいのか?「世界は詩人を求めない」「人々は・・・長時間の労働と利益をあげることに熱中し、世界に美しさをもたらすものをないがしろにしていた」

 この小説は、純愛小説である。アメリカで『マディソン郡の橋』を超える記録をつくったという。しかし、ただの純愛小説でもない。人の価値とは何か、生きることとは何か。ノアとアリーの愛とその後の人生はそんなことを教えてくれる。

 人を愛することの苦しさ、愛されることの喜び、そこには独りよがりでは成せない力がある。お互いの信頼と思いやりが愛を高める。そして社会の価値観に流されない心が本当の絆をつくる。たとえ、相手が記憶をなくす病になっても。私も二人のように愛し続けたいと思う。 

 この小説を読んでもうひとつ考えさせられたことがある。生と死についてである。脳死や安楽死、自殺など、死に関する倫理問題がかつてなく重要なテーマとなっている。臓器移植や遺伝子操作などが社会的な問題になる中で、生命倫理はますます重要になるだろう。
 アルツハイマーで記憶をなくした妻を愛し続ける夫。その姿を見るとき、たとえ意識がなくなっても死を望まないだろうと思う。ここには人の命が、本人だけの問題ではないことを考えさせてくれる。

 人はひとりで生きているわけではない。人の命は、本人でさえも自由にできるものではない。ましてや社会が脳死判定をして、その臓器を自由にすることができるはずがない。
 事実をモデルにした純愛小説だからこそ、そんなことも考えてみたくなる小説であった。

2005-05-08 REVIEW JAPAN 投稿

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