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zoom RSS 『橋のない川 住井すゑの生涯』/北条常久/風濤社/「平等なくして真の自由はない」

<<   作成日時 : 2005/05/08 16:41   >>

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  『橋のない川』で真の平等を訴えた住井すゑ。著者は、平和・平等を訴え続けた彼女のエネルギーがどこから発生し、なぜ高齢になっても「橋のない川」続編の執筆に執着したのか、その根源に迫っている。

 「死んでから泣いても間に合うものか。死んでから、かわいそうやというて泣く涙があるんなら、生きているうちに、貧乏の差別に苦しんでいる身になって、泣いたり怒ったりしてほしい。それでこそ人間やないか」

 取材中の、中学二年生の女性の発言である。住井すゑは、返す言葉もなければ、問う言葉もなかった、と言う。まさに真実をついた発言ではないか。
 今でも、差別に苦しみ、貧困に苦しみ、戦争に苦しむ人々が日本だけでなく、世界中にいる。その事実に、泣くだけでなく、怒り、そして、そんな社会を変革するエネルギーへと結びつけることが必要なのではないか。

 「働く自分たちこそ人間だと、胸を張り、足並みをそろえて社会変革の大道を歩み出したらどうでしょうか」
 「橋のない川」第三部の人間解放を宣言するなかの一説である。この言葉に、すべてが表現されているのではないだろうか。そして、真の自由と平等を実現するまで続く道であろう。

 ところで、この著作の中に住井すゑの戦争責任問題ににふれた記述がある。住井すゑは、「『橋のない川』を書くことがいっさいの自分の反省」と語る。私はそのとおりだと思う。
 しかし、著者は、住井すゑに戦争責任を追及する者への怒りか、彼女を弁護するためか、その心情の奥底はわからないけど、すべての転向者を弁護してしまうような記述をしている。著者は、転向しても、転向前に示した価値ある言葉は「不滅」だという。
 しかし、過去にいくら良いことを言っても、自分が言ったことに唾するような行動を取ることや、その良いことを続ける人々を攻撃することまで、許す必要はない。

 たとえ過ちを犯しても、それを二度と繰り返さないことが必要なのではないか。たとえば、戦争の悲劇を二度と繰り返さないために、戦争の真実を明らかにし、その反省のうえに平和を守る運動を進めることが求められる。
 住井すゑは、その反省のうえに、命果てるまで平等を訴え、平和を訴え続けたのではないだろうか。

2003-08-09 REVIEW JAPAN 投稿

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