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zoom RSS 『実録 幸徳秋水』/神崎清/読売新聞社/「権力の弾圧はどこまでも」

<<   作成日時 : 2005/05/20 18:40   >>

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 大逆事件の首謀者として処刑された幸徳秋水の生涯を描いた実録。大逆事件の真相を描くとともに、天皇制権力の非道さを暴いている。

 自由民権運動高揚時の少年伝次郎から、中江兆民の玄関番をへて、平民社時代、そして無政府共産主義に行き着くまでの思想と行動があらわされている。
 社会主義思想を日本に広め、非戦争論を終始一貫訴え続けた幸徳の功績は認められるところである。

 その幸徳が、いかに無政府主義に傾いていったのか。言論・出版の自由が奪われ、何をしても弾圧される時代のなかでやむをえなかったのか。作者は幸徳秋水に好意的に描いている。しかし、この描き方には納得できない。

 当初、議会を通じた社会の改良を目指していた幸徳。中江兆民や田中正造などが議会に何も期待できないと辞職。そして、社会主義者、民主主義者への徹底した弾圧。これらの流れの中で、幸徳が議会を通じての改良を諦め、無政府主義に傾いたのは当然であったかのような描き方は一面的ではなかろうか。

 幸徳の存在した時点でも、議会を通じての改革を訴え続けた人もいる。その後にも大正デモクラシーによる普通選挙権獲得運動など、民主的改革の世論と運動が展開。男子だけにせよ普通選挙権を勝ち取った国民の自由と民主主義を求めるエネルギーから乖離した運動では、多数者の理解と共感を得ることはできないであろう。議会制度そのものを否定した幸徳の思想は間違いである。

 もちろん、その後終戦まで、国民の自由と権利は奪われ続け、想像を絶する弾圧の嵐が吹き荒れた権力の横暴を許すわけにはいかないだろう。
 そして、この嵐の中でも命をかけて、戦争反対、主権在民、平和と民主主義を訴え続けた人のあったことを忘れてはならない。

 明治の社会状況や思想の発展、屈折。権力の残虐さ。沢山の事実を調べてかかれている点で、とても参考となる書であった。

 私たちは、過去の歴史を忘れてはならないと思う。過去の歴史の教訓に学び、真の自由めざして声をあげ続けなければならない。

2003-10-05 RENIEW JAPAN 投稿

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