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zoom RSS 『完本 昭和史のおんな』/澤地久枝/文藝春秋/「旧憲法下の昭和に生きたおんなとおとこ」

<<   作成日時 : 2005/05/15 07:12   >>

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 「おんな」を書くことは、そこにかかわった「おとこ」を書くことでもあった。あとがきの言葉である。旧憲法下の昭和。思想弾圧への命を賭けたたたたかい、認められぬ恋、情死などなど、いつくかの証言をもとに書かれた16のノンフィクションが集められている。

 この本を買ったのは、「小林多喜二への愛」が掲載されていたからというのが動機である。伊藤ふじ子と小林多喜二の愛について、澤地久枝がどう書いているのか、そのことに強い興味を覚えた。
 小林多喜二と伊藤ふじ子の関係について、戦後、多喜二の『党生活者』をめぐる解釈から、様々な憶測や、時には誹謗中傷に使われたことさえある。

 ふじ子が最後に使っていたハンドバックから、昭和53年2月21日付『東京新聞』夕刊の切抜きが出て来た。ふじ子はこの切抜きを三年あまりも持ち歩いていたようである。
 『党生活者』の「笠原」のモデルが伊藤ふじ子であるかの憶測は、まったくまちがっている。解雇手当を多喜二に届けたこと、それを語る多喜二が目に涙を浮かべていたことなどが書かれていた。
 この切抜きを持ち歩き続けた、その気持ちはどんなだっただろうか。涙なしに推測することは困難である。

 伊藤ふじ子の未完成の「遺稿」も掲載されている。そこには多喜二への強い愛が感じられる。
 「多喜二忌や麻布二の橋三の橋」
 昭和40年代に俳句をはじめた、ふじ子の句である。「麻布二の橋三の橋」は多喜二と暮らした場所である。
 死ぬまで多喜二とのことを語らなかった、ふじ子の心のうちが見えてくるような気がした。

2003-08-23 REVIEW JAPAN 投稿

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